人工骨・ヒドロキシアパタイト
通常の骨折なら、その損傷箇所を動かさないように固定していれば自然に結合されます。これは骨がとても優れた自然治癒力を有する組織であるためで、その修復の仕組みは骨芽細胞と同様の骨形成のプロセスを辿ると言われています。
しかし大きな事故などを引き起こし、骨折の程度が非常に悪い場合、破骨細胞と骨芽細胞の機能のみで回復させるのは困難になります。こういった場合、その人のほかの部分から骨を取り出し、骨折した部分に当てはめる骨移植を行います。これによって失った骨の部分を補い、その再生を促したりします。更には人工骨であるヒドロキシアパタイトを用いて、欠損箇所へ埋め込んでしまうこともあります。
ところがこうして自分の組織ではない骨を埋め込んだ場合、代替用であるにも関わらず、次第に自分の骨へと交換されていきます。ヒドロキシアパタイトは外部から取り入れた骨の代替用であるため、その代表的な例と言えます。