血液の再生~赤血球・血小板・白血球~
損傷した部位を修復したり回復させたりするために必要になってくるのが血液です。つまり自然治癒のプロセスで欠かせない物質です。一般に細胞といえば、皮膚や臓器などを構成しているものを指していますが、血液も基本的には細胞が含まれて居ます。白血球をはじめ、血小板や赤血球がそれに該当し、これらは分化能力を一段階喪失して生じる前駆細胞を介して、造血幹細胞より生成されます。
赤血球は赤芽球(せきがきゅう)より生成されますが、血液内の約半分が赤血球にあたります。およそ三ヶ月から四ヶ月ぐらいの周期で古いものから新しいものへと新陳代謝されていきます。血球の中ではその寿命が長く、十日ぐらい血小板と比較すると顕著です。赤血球に存在する核は赤芽球から生成される過程において喪失しているため、脱分化は不能です。つまり、他の目的のために利用されることはなく、いわば使い捨ての細胞となります。これは核がなく、遺伝情報を喪失しているためです。
造血幹細胞から赤血球は増殖しますが、赤芽球は赤血球を作り出すため、特別に存在する幹細胞であり、この幹細胞から分化して赤血球が生まれます。