血圧・体温・体液組成・恒常性
人間の血液の構成は海水のそれに類似すると言われています。つまり、炭酸水素イオンが二割弱、ナトリウムと塩素が四割前後といった具合にイオンや元素の組成はほぼ一定です。オレンジジュースを飲んだから血液がオレンジになったり、飲酒したからといって血液がアルコールで満たされることはありません。細胞においても同じように恒常性があり、その水分組成はリン酸水素イオンが四割強、カリウムが五割弱といった具合に一定です。これは乾燥環境下においても水中であってもほぼ一律です。
ホメオスタシスとはこういった或る範囲を逸脱しないように維持するメカニズムのことを意味していて、恒常性のことです。この機能は生体を維持する上でとても細かく組み立てられた仕組みです。
具体的には内分泌と神経系に分類され、これらの働きによって維持されています。肝臓における分解や浸透圧をコントロールする腎臓の働きなどは上記系統から枝分かれした機能の一つと言えます。病気は数多くの恒常性の変数が崩壊した状況であり、この変数を回復させるのが自然治癒ということになります。恒常性は血圧や体温、体液など生命活動に欠かせないあらゆる因子がもっとも良い形で構築されています。