嗅覚と進化

人間の脳の発達は地球に存在する生命体の中でも非常に突出していると言われています。他の生命体には認められない能力を人間は数多く持っています。ところが、嗅覚などの反応性は別の生命体に比較すると極端に鈍くなっています。 五感の鋭さという観点からは、他の動物の方が優れていますが、おそらく料理を覚えて脳を発達させたその代償として嗅覚が衰えたものと推測されています。とは言っても匂いが存在しなければ、人間がここまで脳を進化させることはなかっただろうとも言われています。 猿人の名残かどうか分かりませんが、不思議なことに乳児が母親の母乳を嗅ぎ分ける能力を持つことに驚かされます。火を使って調理することで驚異的な発展を遂げた人間の脳ですが、猿人だった頃の人間の祖先は現在より遥かに優れた嗅覚を持っていたのではないかとも考えさせられます。