急性膵炎
膵臓は胃の裏側に位置し、脾臓(ひぞう)へとつながっています。重さは80グラム前後で、長さは凡そ15センチ程度となっています。また膵臓では脂肪及び炭水化物、タンパク質などを消化する消化液やモルモンであるグルカゴン、インスリン、ソマトスタチンなどを生成しています。急性膵炎(きゅうせいすいえん)は自己消化のことで、なんらかに起因して自ら分泌する消化液によって、膵臓を溶解してしまう病気です。症状では、左肋骨下部周辺からみぞおちにかけて突如として持続する激痛が現れます。大抵その痛みは左側の背中に移動し、悪化すると嘔吐に伴って上腹部が腫れあがるといった現象が見られます。場合によっては脳卒中を引き起こすこともあり、また脱力感、脈拍の上昇からショック症状を引き起こすこともあります。急性膵炎の発病原因は、ハッキリ解明されていませんが、統計的には男性で30代以降の方に多いと言われています。また、胆石を患っている方やアルコールを好む方にも多く見られ、空腹時に油物を過剰に摂取した際にも見られます。急性胃炎などは痛みが引いたり強くなったりするといった傾向がありますが、急性膵炎では痛みは徐々に増して行きます。特に冷や汗をかいたり、下痢に起因する脱水症状、黄疸(おうだん)といったものが現れるケースでは、入院することが薦められています。放置しておくと腹膜炎も引き起こし、死亡するケースも見られます。