大動脈瘤

心臓から体の全体へ血液を送り出す機能を受け持つ血管で、一番太い大動脈の一部がコブ状に膨らんだものを大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)と言います。脳に発生した動脈瘤と大動脈に発生した動脈瘤は区別されています。主な発症原因は、動脈硬化の進行があげられますが、リウマチ、高血圧、弁膜症といったいった病気の影響でも発病原因となっています。また発生場所によっても区別されており、横隔膜より上部に発生したものを胸部大動脈瘤、横隔膜より下部に発生したものを腹部大動脈瘤、横隔膜より上下にまたがったものを胸腹部大動脈瘤と言います。手術をする際に一番困難とされているのが、胸腹部大動脈瘤で、破裂によるリスクが高いとされているのが、胸腹部や胸部に発生した動脈瘤です。コブがあまり拡大していなければ、血圧調整や禁煙などによって様子を見るケースが多いとされています。ただ、コブは破裂することによって死に至る危険性が高いため、腹部で凡そ五センチ以上、胸部で凡そ六センチ以上に拡大すると手術を受けることが薦められています。尚、コブは動脈のどの部分にも発生し、その発見は胸部CTや胸部X線写真を撮影する機会のある健康診断が多いと言われていますが、特に腹部大動脈瘤や腹部側に近い胸部大動脈瘤では、自覚症状としてコブの発生部位に脈打つ感覚が現れることもありますので、患者自身で発見されるケースもあります。一般に治療するかどうかの判断は、瘤の大きさが一つの判断基準になっています。