仮性通風と偽通風
名称の由来は通風とよく似た症状を現すところからきています。仮性通風(かせいつうふう)は偽通風(ぎつうふう)とも言われ、関節部においてカルシウム結晶が蓄積されることによって引き起こされる関節炎のことを指しています。通風は、関節部において尿酸の結晶化が原因となって引き起こされますが、仮性通風は、関節部にカルシウムであるピロリン酸カルシウムが溜まって、それが結晶化することに起因して引き起こされます。通風は、結晶化された尿酸を免疫系の白血球が攻撃することで発作が現れます。仮性通風においてもこの原理は同様で、カルシウム結晶を白血球が攻撃することによって発作が現れます。特にお年寄りの方に多いと言われている病気で、通風との区別はレントゲン検査によって行います。痛みは通風の方が強く、腫れは仮性通風の方が長引きます。また発熱することもあります。一般には、患部の発生箇所、男女の違い、痛みの強弱やその持続性などは異なるとされています。その他、通風と混同されやすいものでは、変形性による頸椎症(けいついしょう)及び腰椎症(ようついしょう)といった病気もあり、また化膿性関節炎(かのうせいかんせつえん)などもその急性の炎症から混同されやすくなっています。こういった関節部の炎症を引き起こす病気は沢山存在していて、更に痛みや腫れを生じるものは数が多すぎて、ハッキリとされていません。現在、通風との鑑別診断の必要性のある病気は、数十種類程度存在するとされています。