インスリン抵抗性改善薬とビグアナイド剤

肥満であったり、血中のインスリン量が十分であるのに血糖値が下がらないといったケースは、インスリンが働きかける組織の受容体が、インスリンの効きにくい状況下にあるからです。これをインスリン抵抗性と言います。インスリン抵抗性改善薬は、インスリン抵抗性を改善するお薬です。 トログリタゾン(インスリン抵抗性改善薬)。この薬は、インスリンの分泌を改善するのではなく、インスリン受容体の感受性を高めたり、インスリン受容体の数を増加させることで、インスリン作用を高めます。膵臓にあるβ-細胞の機能を維持しながら、血糖値をコントロールしてくれるお薬です。 ビグアナイド剤には、塩酸ブホルミンと塩酸メトホルミンの二種類があります。スルホニル尿素剤との違いは、スルホニル尿素剤が膵臓に直接働きかけ、インスリン分泌を促すのに対し、ビグアナイド剤は、抹消組織でのインスリン作用を高めることにあります。つまり、肥満による糖尿病の場合は、インスリン分泌が上手く行われないのではなく、抹消細胞においてインスリン作用が上手く行われてないから、そのような糖尿病患者の方には、体内のインスリンを有効活用するビグアナイド剤が適することになります。スルホニル尿素剤は、インスリンを多く分泌させるため、動脈硬化を進行させたり、肥満を促すこともあります。副作用としては、食欲不振、嘔吐、悪心、便秘、下痢、乳酸アシドーシスが起こるなどがあります。