心室細動と心室頻拍

通常、心臓では心房より心室へ電気信号が伝わり、これによって収縮を規則的に行い、血液を全身に排出しています。心室細動の症状では、この電気信号が正常に働かないため、心臓が収縮できなくなってしまいます。そのため、意識がなくなり突然倒れます。最近ではAEDと呼ばれる自動体外式除細動器を使用して電気ショックを加え、心臓が正常に働くようにする機器もあります。心臓が止まると数秒で意識を喪失し、脳死状態にまで四分程度と言われています。一般に不整脈自体は誰にでも起こる現象で、脈が一つ飛んでしまうことは、さほどめずらしいことではありません。これは遺伝子に起因するものもあれば、栄養障害や腎機能障害、脱水といった症状が原因になることもあるからです。特に急激な運動時は、心室細動を引き起こしやすいといわれています。それに加えて、気温の高い日中やストレス、寝不足といったものがプラスされるとその発症率も高まるとされています。運動をする際の準備運動は、心室細動を防ぐための意味もあります。 心室頻拍は心不全や心筋梗塞に伴って発症するケースやブルガタ症候群及びQT延長症候群と言われる先天性の病気に起因して発病することもあります。一般には心室に脈拍が速くなる要因があり、時に胸痛や息苦しさ、冷や汗といった症状を引き起こすこともあります。一分間において120回以上の頻脈を起こすケースを指しますので、急激な血圧の降下に意識が朦朧とする場合もあります。