尿酸/プリン体/アデノシン三リン酸

通風を引き起こす原因となるもので、発症すると独特の痛みから通常の生活もままならなくなり、放置すると尿酸結石(にょうさんけっせき)や通風結節(つうふうけっせつ)を招きます。また、生活習慣病の合併症を引き起こすこともあります。昔は、治らない病気の一つに数えられていましたが、現在ではその治療法も確立された分野に入っていると言えます。典型的な症状では足の親指の付け根部分の激痛があり、最近では若年層にまでその疾患が及んでいます。尿酸(にょうさん)は、窒素化合物(ちっそかごうぶつ)の一つで、肝臓において合成されています。これは、エネルギーを燃焼した際の燃えカスや古くなった細胞が分解された際に発生するカスから構成されるもので、体内ではいつも生成されている老廃物質です。尿酸の原料はプリン体といわれる低分子化合物ですが、これは古くなった細胞の核酸(かくさん)であるDNA及びRNAが分解された物質のことを言います。このプリン体が肝臓において合成されたものが尿酸になります。つまり、プリン体はエネルギー代謝過程で発生した老廃物や細胞核の分解による残骸から発生するもので、更に食物に含有されているケースもあります。また、アデノシン三リン酸(ATP)はエネルギー源となる物質のことを言いますが、プリン体はこの物質中にも含まれています。このアデノシン三リン酸(ATP)は、エネルギー代謝される過程で分解され、その燃えカスの一部分が尿酸に変わります。尚、食物に含有されるプリン体では、核酸の原料であるグアニン及びアデニンといったものがあります。このプリン体も、人間の体内へ入ると肝臓において尿酸へと合成され、体の外に排出されます。