蛋白質/トリペプチド/ジペプチド/アミノ酸
蛋白質(たんぱくしつ)は新しく生成される量と同じだけ、古いものも分解されていきます。髪をはじめ、爪や筋肉などに存在する物質であり、特に人間の肝臓において合成できないものを必須アミノ酸と言います。蛋白質は体内に入るとペプチド結合が切られますが、これは消化酵素であるペプシンが胃液に含まれているためです。その際、鎖状のポリペプチドに変化しますが、もともとは立体構造をしています。
十二指腸へその構造を変化させたポリペプチドが移動すると今度はペプチドやアミノ酸の形に変化します。これは消化酵素であるトリプシンやカルボキシペプチターゼ、キモトリプシンによって行われます。トリペプチドは三個のアミノ酸が結びついたもので、ジペプチドは二個のアミノ酸が結びついたものです。前者はカルボキシペプチターゼによって変化し、後者はキモトリプシンと呼ばれる酵素によって変化します。体内への取り込みは小腸で行われますが、最終的には肝臓へ届けられます。そしてそれぞれの細胞へ血液を介して運搬され、行き先の細胞からは古くなった同じ数だけの細胞が分解されて吐き出されます。これを血液が受け取って再び肝臓へ帰還しますが、分解されたものの大半は新たなアミノ酸として肝臓で再合成されます。
再合成されなかったアミノ酸からは有毒性を認めるアンモニアが肝臓にて遊離します。しかし解毒作用を有する肝臓でそのまま無毒化され、尿素に変化し、体外へ尿として出て行きます。その際残ったアミノ酸は脂質やブドウ糖に変わったり、エネルギーとして活用されることになります。尚、アミノ酸は筋肉や爪などだけではなく、酵素や神経伝達物質、ホルモンなどの材料にもなります。またアミノ酸そのものは二十種類が知られており、この中で八種類が成人における必須アミノ酸と呼ばれているものです。幼児ではこれにもう一種類が加わります。