1型糖尿病と2型糖尿病

肥満者においては、動脈硬化以外にも糖尿病を発症するケースが非常に多く、年々増加傾向にあります。古くは糖が尿に出ることから糖尿病と呼ばれるようになりましたが、現在では血中におけるブドウ糖の濃度によって診断されています。そのため、尿から糖が出ていなくても、糖尿病と診断されることもあります。糖尿病は血管内部にブドウ糖が異常に多く含まれている状態で、且つ細胞の中へそのブドウ糖がうまく取り込まれていない状態を指します。つまり食事をして栄養をとっているのに飢餓状態であるということになります。通常、糖尿病は肥満の人に多く見られる症状ですが、悪化すると反対に痩せていく傾向にあります。こういった糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病は、インスリンを分泌する細胞自体が破壊されていて、インスリンが生成できない状態にあるものを言います。これは免疫機能の障害に起因する病気であるため、生活習慣病とは異なります。 一方、2型糖尿病は、肥満に起因してインスリンがうまく分泌されなくなり、またブドウ糖がうまく細胞内へ取り込まれない病気のことをいいます。具体的には、肥満の進行と共に個々のインスリンが対処できるブドウ糖の量が減少しだし、それを補うため次第にインスリンの分泌量も増加していきます。これで対処できてるうちはいいのですが、いずれ個々のインスリンの能力低下により、インスリン分泌が追いつかなくなり、やがて糖尿病にかかります。また、体質や遺伝によってはインスリン自体の生産量が少ないケースもあるため、こういった方は、ちょっと太っただけでもインスリンの働きが落ち、延いてはインスリン分泌量も間に合わなくなり、人より早く糖尿病に陥ります。反対にインスリン自体の生産量が多い方では、一つ一つのインスリン処理能力が低くても、大量のインスリンを分泌できるため、糖尿病を発症しにくくなります。