糖尿病食
カロリーを抑えつつ、栄養失調にならないように調整されたものを糖尿病食といい、全体としての栄養バランスは維持されています。糖尿病を患っていると、食物を多く摂取した際、インスリンがうまく作用しません。そこで、インスリンの供給と需要のバランスを調整する必要性から、食事療法に取り入れられた経緯があります。糖尿病の方に必要とされる一日のエネルギーは、患者の方の標準体重に凡そ27キロカロリー前後をかけて算出されます。脂質は凡そ二割前後、炭水化物は凡そ6割弱、タンパク質は二割程度と言われていて、これが糖尿病食になります。栄養面では、一般的な日本食に近いとされていて、異なる点はカロリーの総量のみとなります。このため、糖尿病食は特別な食事ではなく、健康な人にとっても理想的な食事と言い換えることができます。特に制限される食品の種類もなく、太っている方にとっては最適なダイエット方法として活用できます。減量において最も基本になることは、総カロリーを少なくすることで、食物の量を減少させることではありません。古くから言われる栄養のある食物は、少ない量で多くの栄養素を摂取できますが、食べられる量も少なく、また食べ過ぎても高エネルギーになってしまうため、現代人には適さないと言われています。成長期や食料のあまりなかった時代、食糧難の国の人々にとっては、栄養の凝縮された食物は、大切な栄養素の供給源となります。しかしながら、現在の日本では、栄養が凝縮されていない食物で、必要とされる十分な栄養を摂取する方が効率的だと考えられています。