東洋医学

動脈硬化や癌、発疹、出血、炎症といった症状は、人間の体が血液を綺麗にするための自然な治癒力との考え方があります。一見、理解しにくいものに感じられますが、もともと疾患と言われているものは、人間の体自身がその病を自然に治癒させようとする作用の表れとも言われています。日本の西洋医学(せいよういがく)では診療科が何種類かに分類されていて、外科や内科、婦人科、皮膚科、眼科、泌尿器科といったものがそれに該当します。例えば、肌に異常があった場合、その皮膚に問題があるからこそ病気を引き起こしたと捉えがちになります。このため、皮膚科に行って蕁麻疹や湿疹といった症状を訴えると、塗り薬の副腎皮質ホルモン剤や飲み薬の抗ヒスタミン剤などが手渡され、出現した発疹を抑制しようとします。これを東洋医学(とうよういがく)に当てはめると、血液を綺麗にするため、体が老廃物を排出しようとする反応だと解釈されます。西洋医学では現れた発疹などを抑える治療法をとりますが、東洋医学ではどちらかと言うとその排出を促進させるような治療法が行われます。 日本でも古くから皮膚に生じた発疹などが悪いほど、それを随伴させる内臓疾患は軽症だと考えられてきた経緯があります。これには麻疹(はしか)や天然痘(てんねんとう)、発疹チフスなどがあげられます。つまり、現れた発疹の症状が酷いほど、体の血液に含有される老廃物が次々に体外へ押し出されるという考え方です。このことは血液を綺麗にしていることを示しており、その浄化が促進されていると捉えられています。現代医学ではずるずる引っ張って根治させることが困難な肌疾患でも、東洋の医学に従って、むしろ悪化を促進させるような治療法を行うことで治癒してしまうことがあります。これは東洋と西洋の医学に関する考え方の違いからくる現象とも言えます。