断食から尿酸が増えても通風発作は起こらない
尿酸は通風を引き起こす原因物質ですが、断食によって増える傾向にあります。ただ、増加するといっても現実には断食から通風発作を招くことはないようです。食物の摂取を断った際に増加する原因として、ケトン体があげられます。この物質は中性脂肪の分解から生成されるものですが、尿酸が腎臓を経由して尿内へ排出されるのを阻害する働きがあると言われています。また、断食は病的な組織を壊すため、この細胞内に存在する核酸が代謝されることによって尿酸が増加するとの考え方もあります。いずれにしても、通常の生活を送り出すと尿酸は減少していきます。
ところで白血球は断食によって一週間程度で増加を示すと指摘されていますが、実際にはNK細胞と言われるリンパ球の一つが活性化するようです。この細胞はナチュラルキラー細胞と言われているもので、ウイルスだけでなく癌細胞をも消滅させる作用を持っています。一方、減少を示すという考え方は、もともと老廃物などを処理する白血球の働きに由来するものです。つまり、好中球そのものは体内に入った異物をも処理しますが、元来体の中に存在する老廃物を対象に動いているもので、外部からの食物の摂取が遮られていると、血中の老廃物が減少するため、この白血球はそれほど必要ではないという考え方によるものです。
尚、断食の最中に気持ちよく酔ってうっとりするような感覚を生じますが、これはβ-エンドルフィンと呼ばれる物質によるものです。脳内快感物質であり、ランニングハイを引き起こす要因として知られています。