腎臓と通風結節・結節性通風

通常、人間の体の中で生成された尿酸は、腎臓から尿中へと流れ出ていきます。腎臓の内部はその外側が皮質からなり、内側は髄質で構成されています。真ん中に袋状の腎盂(じんう)があり、ここが尿管とつながっている部分です。糸球体(しきゅうたい)は腎臓の皮質部分に存在しますが、ここで血液中に含まれる物質を濾過しています。老廃物などは尿管から膀胱へ移動しますが、再利用されるものは尿細管において再び吸収されることになります。本来、尿酸もエネルギーの燃えカスであることから老廃物と同等になるはずですが、尿酸は、糸球体で濾過されても大半が尿細管へ移動します。そのため、何度も体内で再吸収され、全体の一割程度しか排泄されていないと言われています。尚、人間の体に不必要とされる尿酸がなぜ、再吸収されやすいのか、その原因は今もハッキリ解明されていません。 体の中に尿酸が非常に多い状況が慢性化したもので、蓄積された尿酸は塊となって、更に関節部分から皮下に及んだ症状のことを通風結節(つうふうけっせつ)と言います。ほとんどは、放置したために悪化したもので、通常、通風発作を治療しないでいると五年から十年で発症すると言われています。症状が現れる部位は、温度の低い箇所で、耳、皮下、手足の関節周辺などが多いとされます。更に内臓においても現れることがあり、腎臓などが該当します。見た目に患部が分からないケースもありますが、白っぽく透けて内部の尿酸が見えることもあります。また、患部に痛みはあまりなく、触れると硬くなっているケースが多いとされています。そのまま治療せずにいると、患部は徐々に大きくなっていきます。特に足の親指の付け根部分において何度も通風発作を再発してきた人は、その患部周辺の関節部がかなり大きく腫れあがっていることが多いようです。