米糠が糖尿病に与える影響とその原因

ガンマオリザノールは米糠に含有される成分であるが、この物質は人間の体の中でアディポネクチンの分泌を促進する。アディポネクチンは糖分や脂肪の分解を促進するタンパク質の一つであり、これが糖尿病を予防すると考えられている。更にガンマオリザノールにはアトピー性皮膚炎を抑制する働きがあるとされる。 日本人は古くから米を主食としてきた民族であるが、近年減少傾向にある。農水省では一か月あたり一人が消費する米の量を発表していたが、この減少傾向により止めてしまったほどだ。かつて一人当たりの一年間の消費量は100キロを超えるものであったが、現在では60キロより少ないと考えられる。このことは糖尿病患者を増やす一因になっているのではないかとも言われている。 理由は、米糠に含まれるガンマオリザノールの摂取量が減少したことに起因するが、それよりももっと深刻な問題がある。それは遺伝的な問題であり、特に日本人は遺伝的にアディポネクチンを生成するための遺伝子に欠陥があると考えられている。かつて米を主食としてきた日本であるが、食生活の欧米化により米の消費量が減少してしまった。このことはアディポネクチン不足を米の主食化で補ってきたバランスを食生活の欧米化で崩壊させてしまったことを意味するものである。つまり専門家によると、アディポネクチン生成の遺伝的欠陥があるのに米の摂取量が減少したため、糖尿病患者が増加したのではないかとする指摘もなされている。 先に述べたようにガンマオリザノールはアトピー性皮膚炎の予防にも有用とされており、その一方で近年アトピー性皮膚炎を患う子供も増加している。糖尿病患者の増加もそうであるが、これらの事象と米の摂取量との因果関係が気になるところである。
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