胡桃やセイタカアワダチソウのアレロパシー
セイタカアワダチソウは背高泡立草と書く。日本へ渡来したのは明治末期。この植物にはアレロパシーという能力がある。どういう能力かというと、他の植物を寄せ付けないために自ら植物にとっての毒素を撒き散らすという能力だ。その毒素はデヒドロ・マトリカリア・エステルというもので、これによってススキなどのライバルを駆逐する。セイタカアワダチソウの特徴として背丈が非常に高くなる。民家を押しつぶす勢いさえ感じられるほどに成長する場合もあり、繁殖は非常に派手だ。もちろんアレロパシー成分によって養分を独占するためなのだが。しかしセイタカアワダチソウも敵がいなくなると今度は自らアレロパシーにやられてしまうという滑稽な現象が起こる。自らの毒素で自らがやられる自家中毒を引き起こし、その結果として再びススキなどの植物が勢力を巻き返すことになる。
実は胡桃にもアレロパシー現象が起こるのだ。なぜ植物にこういう能力があるのかというと、植物は自ら動けないから。他の動物なら天敵に遭遇すると移動すれば逃げられるのだが、植物は逃げれない。そのため自身を守るために根っこから他の植物が育ちにくくなる物質を放出するというわけなのだ。もし胡桃の木を庭で育てようとするならば、胡桃の木の下では他の植物が育ちにくいという点に気をつけよう。
ちなみにクルミは良質な脂肪酸であるリノール酸やリノレン酸などを多く含む。また、ビタミンやミネラルもバランスよく含有していることから栄養価は高いと評判だ。