アクチニジンとキウイ

多くの栄養素を含有する果物のキウイにはたんぱく質分解酵素も含有されています。この物質はアクチニジンと呼ばれているもので、ゼラチンや肉などを柔らかくしてしまいます。肉などは硬いものもあるため、この果物をみじん切りにして肉に浸したり、絞り汁を肉に漬け込むといった使い方もあります。しかし、たんぱく質で構成されるゼラチンなどでゼリーを作る際に困ります。アクチニジンはたんぱく質を分解してしまうため、ゼラチンが固まりにくくなってしまうためです。こういったケースでは代用として寒天を用いるか、キウイの果肉を加熱してから利用します。熱を加えると、アクチニジンの作用が阻害されるため、ゼラチンを材料として使うことが可能です。 よくヨーグルトなどにキウイを乗せて苦くなってしまったというケースがありますが、これもアクチニジンの作用が原因しています。多くの方が、古くなったキウイを用いたためだとか、傷んでしまってるのではと考えがちですが、実はたんぱく質が分解される過程で、苦味を生成していることに起因します。乳製品にはたんぱく質が含まれているため、これらの食品とキウイを同時に摂取する際は、前もってキウイと乳製品を混ぜないようにします。ただ、同じキウイにもゴールドと呼ばれている品種があり、こちらはアクチニジンの含有量が少なくなっています。 日本ではニュージーランド産のキウイが春から秋の間で流通します。一方、国産のものは秋と春の間で見られるようになります。このため、一年を通して市場へ出回っており、いつでも食べれる身近な果物の一種です。特徴としては食物繊維をはじめ、ビタミンCやE、カリウム、ポリフェノールなどを多く含有しています。しかも一個当たりのカロリーが低いため、人気の果物の一つとなっています。