コーヒーのプロビタミンB3

コーヒーの芳香成分には、体に取り込まれてからニコチン酸に類似する働きを呈するものが幾つか知られています。こういったビタミンの基礎になる物質をプロビタミンと言いますが、珈琲の芳香成分に対してはプロビタミンB3に置き換えられます。ニコチン酸とよく似た構造をしていると共に、その働きも類似しますが、残念なことにペラグラに対しては有用となりません。焙煎した珈琲には幾つかニコチン酸様類似物質が認められ、ピラジン酸は体内へ取り込まれた芳香成分が変化したものの一例です。 これらの芳香成分は単体ではあまりニコチン酸様作用を持ちませんが、複数集まると働きも高まります。しかもその働きは多彩で、血管を守ったり、血液凝固機能及び脂質代謝の改善といった具合に色々あります。これはニコチン酸とどの部分が似ているのかによって異なるもので、芳香成分の種類によって血液の粘度を下げたり、脂質分解の改善などに特化したものが認められます。つまり、ニコチン酸と似ていて実は微妙に違う成分ということです。