体脂肪の標準
体脂肪の標準は、男性で16%前後、女性で18%前後とされています。肥満とされる体脂肪は、男性で25%、女性で30%以上に該当する人のことを言います。実は、体脂肪というものが見た目には分からないのが現実です。太っていても何かスポーツをしていて、実際には、脂肪比率の低い人がいます。反対に、痩せているように見えても、脂肪比率が基準より高ければ肥満に分類されてしまいます。また、ダイエットなどで体重を減少させても、筋肉や骨、内臓の組織までも一緒に減らしてしまうのは、本来目的とするダイエットとは言えないかも知れません。体脂肪の標準化を一つの目安にするのが理想で、体重の減少は、また別のものだと解釈すべきでしょう。
ちなみに癌(がん)と肥満はあまり関係ないように思われていましたが、最近の研究で、癌と肥満の関係が明らかにされてきました。まず、発症率の高い癌の種類は、大腸ガン・前立腺ガン・子宮ガン・乳ガンなど。脂肪細胞には、アンドレゲンという男性ホルモンを、エストロゲンという女性ホルモンに変換する作用があります。肥満女性は、そのエストロゲンから子宮内膜・乳腺を刺激され続けることによって、ガンの発症を引き起こすと考えられています。前立腺ガンについては研究不十分で、詳細なメカニズムが解明されていません。ただ、肥満者は普通の人に比べて前立腺ガンを発症しやすく、更に動物性食品を多く食べる人は、通常の人より3.6倍もの確率で発症します。大腸ガンでは、変質した胆汁が大腸の粘膜細胞を刺激することによって、ガンを発症するのではないかと考えられています。また、大腸ガンでは、運動するなどして腸の中の老廃物を速やかに排泄することによって、予防できると考えられています。