膨張剤
ケーキをはじめドーナツやホットケーキ、クッキーなどで用いられているもので、食品に添加することによってふっくらとした柔らかい歯ざわりになります。別名では、ペーキングパウダーや膨らし粉とも言われており、主に小麦粉製品を膨張させるために利用されます。膨らませることで、スポンジケーキやホットケーキ、和菓子などに滑らかな食感を作り出します。また、気泡は細かくなり、焼いた際の色も綺麗に仕上がります。
膨張剤(ぼうちょうざい)は持続、遅効、速効の三つのタイプに分類されたり、酸剤とガス発生剤に分けられたりします。持続タイプのものはスポンジケーキといった長い時間熱を加えるものに適しています。ゆっくり焼くためのもので、熱を加える時間が長いものが対象となります。遅効タイプのものはホットケーキなどがその代表で、熱を加える時間が短いものを対象としています。やや温度が高くなってから、ガスが多く生じる作用があります。速効タイプのものは蒸しパンなどが対象になっており、やや温度が低い状態で、ガスを多量に出させるものです。
尚、酸剤ではピロリン酸二水素ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム、L-酒石酸水素カリウム、グルコノデルタラクトンがあります。ガス発生剤では塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウムがあります。膨張剤は発酵時間を要するイーストとは異なり、すぐに作ることができます。用途としては上記の他、どら焼きやビスケット、蒸しケーキ、ウエハース、天ぷら衣、人形焼などがあります。