ドーパミン~A10神経~

脳幹から伸びるA10神経は、視床下部から大脳辺縁系を経て、前頭連合野を経由し、側頭葉で終結します。視床下部は自律神経を制御し、人間の根本的な食欲や精力など本能を司ります。大脳辺縁系は記憶や情動に関与します。前頭連合野は人間としての精神活動を制御しています。側頭葉では学習機能を担っています。A10神経はこれらの器官を経由しますが、当該神経が刺激を得るとドーパミンが分泌されます。いわゆる快感に関与するホルモンですが、ドーパミンが過剰になると幻覚などを招きます。このため、これを制御するためにギャバ神経が活性します。 βエンドルフィンは脳内へ悪影響を及ぼす薬の一種で、これはモルヒネの数倍の威力があります。ランナーズハイでよく知られている物質で、マラソンなど苦痛な環境下において引き起こされる現象です。この物質は苦痛や痛みを緩和させる作用を有しますが、同時にギャバ神経の作用も抑制してしまいます。実は幸福感や快感を生じさせるのは、このβエンドルフィンとドーパミンの作用のためです。またこういった脳内物質は今のところ数十種類が見つかっています。