栄養強化剤
アミノ酸をはじめ、ビタミンやミネラルなどのことを指していて、日本人の栄養所要量で広く知られています。原則、栄養素は日常の食生活から摂るものですが、様々な環境下において十分に摂取することが困難となる場合があります。日本人は他の国に比較するとこれらの栄養素の所要量がカルシウムを除いて満たしていると言われていますが、それでも食物の流通環境や季節、時期などによって差が生じるため、必ずしも十分とは言えません。また、飽食の時代であることから、極端なダイエットや調理の際の条件、偏った食事などによっても変化します。
栄養強化剤(えいようきょうかざい)の種類としてはアミノ酸類、ビタミン類、ミネラル類などがあります。アミノ酸はL-シスチン、L-メチオニン、L-リシン塩酸塩など必須アミノ酸の他、L-アルギニンや
L-アスパラギン酸ナトリウムなどがあります。ビタミン類はベータカロテンやビタミンE、ビタミンA脂肪酸エステル、ビタミンEなど脂溶性のものとビタミンB1塩塩酸やビタミンB2、ビタミンCなど水溶性のものがあります。ミネラル類は、焼成カルシウムやクエン酸カルシウム、乳酸カルシウムの他、ピロリン酸第二鉄やクエン酸第一鉄ナトリウムといった鉄類、そしてグルコン酸銅、グルコン酸亜鉛といったものがあります。
d-α-トコフェロールはビタミンEのことで、植物油脂である玉蜀黍などから分離抽出します。チアミン塩酸塩はビタミンB1硝酸塩のことで、原材料として二硫化炭素やアミノメチルピリミジンなどを使っています。これはチアミン硝酸塩も同様です。コレカルシフェロールはビタミンD3のことを指していて、紫外線を7-デヒドロコレステロールに当てて造られています。L-アスコルビン酸はいわゆるビタミンCのことであり、でん粉から抽出したブドウ糖を発酵させて作ります。ベータカロテンは原材料としてベータヨノンを用いています。体内に入るとビタミンA様の働きを有します。L-アスパラギン酸ナトリウムは酵素反応をフマル酸に生じさせ、これにアンモニアを与えて製造しています。炭酸カルシウムは酸化カルシウムから石灰乳を作り出し、これに二酸化炭素を付加して作られています。ヘム鉄は酵素処理をヘモグロビンに行って作っています。リボフラビンはビタミンB2のことで、原料はリボースとなります。この物質は微生物発酵から生成されています。DL-メチオニンは原材料をメルカプタン及びアクロレインとしています。ニコチン酸アミドはナイアシンアミドとも呼ばれているもので、ニコチン酸とアンモニアの反応から発生します。ビタミンA脂肪酸エステルは脂肪酸でヨノン由来のビタミンAによってエステル化されます。