手・足浴と半身浴
心臓疾患や腰痛、腎機能低下由来の浮腫、生理痛、生理不順、膝関節痛などを生じている人は半身浴が推奨されます。全身浴では自覚症状がなくても、胸や腹部が圧迫されています。これは水圧によるもので、自覚していなくても胸囲や腹囲が数センチ縮んでいるのです。全身浴は首までお湯につかっている状態なので、心臓疾患が認められれば、半身浴の方が薦められています。また、下半身に何らかの疾患がある場合も同様です。一般に半身浴と言えば、お湯がみぞおちより下にくるようにした状態を指します。こうすることで、下半身での血流の上昇が、次第に全身へと及びます。すると、体中から汗が排泄され出して、お湯から体を出してもその排泄はしばらく続きます。尿は腎臓で作られていますが、この臓器も下半身に存在しているため、半身浴によって血流が改善されます。そのため、尿量も増加して血液も浄化されます。
全身及び半身浴に対して、手浴や足浴と呼ばれているものがあります。こちらは入浴が容易でないケースに推奨されるもので、排泄作用を高めるのに役立ちます。手浴は両手首を湯に浸らせるもので、足浴は両足首から下の部分をお湯につからせます。時間は凡そ十五分程度で、四十五度前後の少々熱めのお湯を洗面器などに入れて行います。その際、後から継ぎ足すためのお湯も用意して、なるべく冷えないように気をつけます。手足だけでも、全身の温度が上昇し、発汗が促され、排尿も促進されます。