血糖値とインスリン
人間が食物を摂取すると、その中に含まれる炭水化物は糖に変換されます。これが血液中に入ると血糖値が上昇しますが、その際、それに応じて膵臓のランゲルハンス島からインスリンが分泌されます。このインスリンは血中において作用し、ブドウ糖は細胞内へ取り込まれていきます。またインスリンは脂肪の分解を阻止し、脂肪の蓄積を促進します。このため血糖値は低下することになりますが、それに伴って空腹感も発生させます。これらのことから、インスリン分泌量が多いほど脂肪は蓄積されていきます。また、インスリン分泌量が常時多いと、膵臓のランゲルハンス島から分泌されるインスリン量も減少し、うまく作用しなくなります。延いては2型糖尿病を発症することになりますが、インスリン分泌量が多すぎると、反対に血液中に含有される糖が少なくなり過ぎて、低血糖を引き起こし、眩暈といった症状が現れます。どちらにしても、血糖値の急激な変動は体にもよくありません。このインスリン分泌量は、人によってそれぞれ異なり、特に運動を行わない人の方が多く分泌されます。反対に、スポーツなどの運動を行っている人は、あまりインスリンが分泌されません。そのため、あまり体を動かさない人は、膵臓のランゲルハンス島から分泌されるインスリンの量を少なくしなければならず、特に食事において血糖値を急激に上昇させないよう工夫が必要になってきます。いわゆるGI値は、人の体を使って実験した結果から導き出された値のことで、この数値が低い食品ほど、血糖値を緩やかに上昇させる食品になります。このGI値を使えば、複雑なカロリー計算や続けることが困難とされる運動をしなくても、それなりに効果が現れるといわれています。また、運動で得られる効果や、脂肪の蓄積のされ方も、人それぞれ違い、そのような一律に決められた全ての人に適切に当てはまらないダイエットを行うより、はるかに簡単と言われています。