付加再生と形態調節~再生に関わるプロテアーゼ~

付加再生は未分化細胞から損傷した部位の再生が行われるもので、その際再生円錐若しくは再生芽と呼ばれる突起状のものを形成します。これに対して形態調節では未分化細胞も再生芽も発生せず、残存する細胞から根気よく再生していくタイプのことを言います。このため別名で再編再生若しくは形態再生とも呼ばれることがあります。 しかし破壊された細胞が脱分化から未分化細胞に逆行し、更に分化することもあれば、これらのプロセスを踏まず、細胞そのものが動いて破壊された組織を回復させることもあるようです。一般には形状が明確になっていない生命体で形態調節が見られ、或る程度硬い仕組みを有する生命体では付加再生が行われるようです。しかし、研究が進むにつれて全ての再生を形態調節や付加再生で、その修復の仕方を分類するのは難しくなってきています。 再生を始める際のきっかけの一つが蛋白質分解酵素であるプロテアーゼだということは現段階で分かっているようです。この物質は細胞内部の袋に保存されていますが、細胞が破壊されることで外に出てきます。また細胞と共に切れてしまった神経からも何らかの因子が分泌されるようです。しかし再生開始のきっかけをどういったプロセスで細胞や組織が理解しているのかはハッキリ分かっておらず、多くが仮説に留まっているようです。