摂取したコラーゲン

国内ではコラーゲンが重要視されている傾向にあります。現在、アンチエイジングの立役者として広く知られており、美肌食材としても注目を集めています。高級食材であるすっぽんや鱶鰭（ふかひれ）、値段が手ごろの牛すじ肉といったものにはコラーゲンが多く含有されています。注目する中心は女性であり、これは美肌効果を生む成分としてメディアから大々的に発信されているためで、ほとんど一般常識といっても過言ではありません。ただ、食物として摂取したコラーゲンはあくまで蛋白質です。これは他の種類の蛋白質と同じで、ペプチドやアミノ酸にまでとりあえず分解されることになります。ペプチドはアミノ酸が複数結びついたものですが、これらの物質が血中へ入り込むにはまず分解されてしまいます。そのため、摂取したコラーゲンの全てが再びコラーゲンとして合成されるとも限りません。専門家の間では、摂取したコラーゲンが肌を形成するコラーゲンとして利用されることは一般的に考えられているほど多くはないと指摘されています。蛋白質は人間の体を作っている成分で、全体の凡そ３０パーセントの割合で存在していると言われています。基本的にはDNAのデータをもとに、摂取した蛋白質は一度アミノ酸やペプチドに分解された後、あらゆる蛋白質として再び合成されます。これはコラーゲンも例外ではなく、つまり巷に広がっているコラーゲンの美肌への影響は、多くの人に思われているほど高い効果を示すというものではないということになります。 尚、コラーゲンと同様にビタミンCにも皮膚を綺麗にする作用があると言われていますが、これはビタミンCがコラーゲンの合成に必要な成分であるためです。もちろん、紫外線が照射されることで発生する活性酸素を無毒化する働きもありますが、コラーゲンは螺旋状の形をしており、ビタミンCはその構造を補助する働きもあります。