交感神経の転換・ノルエピネフリン

副・交感二つの神経によって心筋はコントロールされており、心臓の拍動もこれに従います。恒常性を維持するため、その機能を交代させており、交感神経では心拍数を高めたり、収縮力を強めたりします。副交感神経ではその反対のことが行われます。心臓に何らかの障害があって、その働きが落ちると交感神経が作用します。これは血液の巡りを適正にするためで、伝達物質であるノルエピネフリンが放出され心筋細胞が刺激されます。しかし、これが長期に渡って続くと今度は交感神経が亢進していてもノルエピネフリンが細胞に活用されにくくなったり、その生成が減少したりします。 このような現象は交感神経が副交感神経にその働きを転換して過剰に負担を負わされてしまう心臓を守り、寿命を延ばしていると考えられています。また動物実験では交感神経を変化させられないタイプが通常のものより生存率が低かったとする報告例があります。このことは心臓の働きが仮に落ちたとしても、その状況を維持した方が生存という視点からは優れているとも考えられます。