香料

多くの飲み物や加工食品に用いられており、美味しさを際立たせ、食欲を高めるのに役立っています。食物はそれを生産している場所や時期によって味や香りに変化をもたらしますが、香料(こうりょう)はその香りを一定にコントロールすることが可能で、香味を維持します。また、加工の際に行う殺菌や濃縮といった過程で、不安定な香味成分が変化します。保存している最中にも同様に香味は失われたり、変動したりします。これを調整して、香味を補強するのが香料となります。更にドリンク飲料やコピー食品など、もともと香りがない或いは違う香りを持つ食品に対して、その香味付けができます。こういった使い方は加工食品を生み出すのに有用と言われています。 通常、香りは鼻から感じるものですが、食品に限っては味も香りに関係していると言われています。化粧品で使われる香料はフレグランスと呼ばれていますが、これに対して食物に用いられる香料はフレーバーと言われています。この言葉は香りだけでなく、食感や味を含めた感覚を意味していて、フレグランスとは区別されています。 大別した場合、天然ものと化学的に合成されたものがあります。天然物は、植物や動物由来のものがあり、前者ではオレンジやローズ、ペパーミント、ジンジャー、シナモンなどが知られています。これらはリカバリーフレーバーや精油、アブソリュートといった様々な製法が用いられます。利用形態はオイルやパウダー、エマルション、エッセンスといったもので、オイルは高い保留性と香りを持ち、熱にも強くなっています。ベースを直接用いたり、植物油などに混ぜて使われます。パウダーは粉末化させたもので、長期間に渡って安定した香りを放ち、耐熱性を有します。エマルションは乳化させたもので、飲料に用いられます。エッセンスは水溶性であり、ベースから抽出する際、含水アルコールを用いたり、或いは溶かして使います。 種類では野菜やスパイス、ナッツ、洋酒、バニラ、コーヒー、ミルク、ミント、柑橘(かんきつ)、セイボリー、魚介、ミート、お茶、フルーツ系などがあり、様々なタイプに分類されます。