光沢剤
チョコレートなどの表面をコーティングしてツヤを強めたり、果物の果皮に被膜をつくり、保湿性を高めたりします。また、コーヒー豆を炒った際に香りが逃げるため、これをコーティングして香気を維持し、防湿、変質を防ぐ目的で使われます。更に、保存期間を長くする目的で海産物に用いたり、包装資材に食品が付着するのを防ぐ目的でセロファンなどに被膜を作ったりします。光沢剤(こうたくざい)は、食物のツヤを高めたり、湿気の遮断、品質維持、保湿など様々な効果を持ちます。
光沢剤を分類すると樹脂及びワックスに分けられます。前者の食品添加物としてはシェラックというものがあります。後者は更に鉱物性、動物性、植物性に分けられます。鉱物性ではマイクロクリスタリンワックスというものがあり、動物性では蜜蝋(みつろう)があります。植物性ではカルナウバロウが知られています。
シャラックはセラックとも呼ばれていて、カイガラムシ科ラックカイガラムシの分泌液から作ります。この物質を用いると酸性に耐性のある被膜を形成し、湿気及び空気を遮って質の良い光沢を呈します。またエタノールに溶けやすくなっています。マイクロクリスタリンワックスはミクロクリスタリンワックスとも呼ばれているもので、原油を減圧分留して作られます。糖衣ガムや果実といったものに使われますが、ガムベースとしての特性も有します。蜜蝋はベースワックスやビースワックス、オウロウなどと呼ばれており、ミツバチの巣から作られます。これは蜜蜂のロウ腺から分泌されるもので、パルミチン酸ミリシルが主な成分となります。コーヒー豆や果実などに用いられます。カルナウバロウは、ブラジルワックスやカルナウバワックスなどとも呼ばれているもので、パーム樹の葉から作られています。チョコレートやキャンデーなどに用いられており、ヒドロキシセロチン酸が主な成分となります。独特の香りを持ち、淡黄色をしています。硬くなっていますが、味はこれといって特に感じられません。