嗅球~脳と嗅神経~

嗅球(きゅうきゅう)は匂いを感知する神経系のことで、脳前端に存在します。見た目は球状に飛び出した形をとっているため、この名称がついたと考えられます。匂いを感知するのは蛋白質で、そこから嗅神経が伸長して結合した状態をとっています。ここで初めに匂いのデータを感知し、それを加工して大脳が解釈しやすい形式に変換します。そして、より優れた中枢神経に伝達することになりますが、これが嗅球の役割となります。 ところで脳と手足とではその復元の解釈が違います。例えばオタマジャクシの手足であれば、通常通り動作している場合、復元されたと解釈することができます。一方、脳のケースではその神経回路一つ一つが適切に結合して復元されているのかどうかハッキリ分かっていません。しかし、脳に存在する嗅球では以前と異なる形で復元されると言われています。つまり、嗅神経の大部分を失った場合、当該神経と脳を結合させることができなくなり、嗅球そのものが復元されなくなります。また両側二本存在する嗅球と嗅神経が何らかの原因によって片側一つのみに結合した場合、残りの一つは復元されなくなるようです。要するに嗅球の復元に関しては予測不能で運しだいと言うことができます。