肥満と糖尿病

今現在、肥満であるということは、膵臓のβ細胞は、正常である可能性を示しています。β細胞が障害されると、ダイエットしてもしなくても、痩せて行きます。肥満であるということは、治療する価値があるということになります。重度の肥満の方などは、運動療法を開始する前に、医療機関のメディカルチェックをすると良いでしょう。メディカルチェックをしないで、いきなり運動をすると、関節を痛めたりするケースが多いので、メディカルチェックを受けた上で、自分に合った運動量と治療を行うのが基本になります。減量を続けていると、適応現象にぶつかって、体重がなかなか減少しない時期があります。そんな時も、食事制限と、運動療法によって地道に乗り切ることが大切です。簡単に薬物療法を行うと、薬の効き目がだんだん悪くなり、更に強い薬の使用に頼ることになります。インスリン療法など、膵臓を休ませることで、以前より血糖値が正常になる場合もありますが、薬物の継続使用は、その効き目を低下させますので、必ず良い結果を生むものではありません。また、インスリンには肥満を促進する働きもありますので、その取り扱いには、注意が必要です。 食べ過ぎや、運動の不足によって肥満になると、血糖の処理をするのに障害が出て、軽い糖尿病の症状が現れます。初期段階に気づいて、肥満を回避すれば、また正常値に戻るものです。ただ、この状態を長く放置すると、糖尿病の症状になってしまう確率が高く、こうした肥満が要因で発症してしまう糖尿病患者数は、2型糖尿病患者数の約6割以上いらっしゃいます。一般に肥満になるほど、健康を害し、寿命が縮まると言われ、肥満糖尿病の方に多いのが、網膜症、腎症、高血症、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、下肢動脈閉塞、通風、高脂血症、脂肪肝、不妊症、関節障害などです。