体液~血液、リンパ液/血漿・体腔・加水分解~
胆汁は水と油を馴染ませる作用があり、中性脂肪はこれによって水に溶解します。全ての栄養素は体内で溶解した状態で目的地に運ばれ、消化や取り込みが行われます。消化液には酵素が存在しますが、脂質や蛋白質、糖質はいずれもこの液体に溶解して、それぞれの酵素作用を受けることになります。また加水分解は栄養素が水との反応から分解されることを指しています。
組織間や血漿など細胞内外に存在する体液は肝臓や心臓、肺などの臓器間にもみられます。これらは体腔とよばれており、その隙間などに認められます。また体の機能を補うイオンは体液に溶解しており、あらゆる栄養素は細胞外に存在する体液から細胞内へと移動します。その際、代謝が行われる訳ですが、必要のなくなった栄養素は細胞外へ移動します。そして血液を介して腎臓へ送られ、尿を形成して排泄されることになります。体液は人間の保有する水分であり、その量は体重の大半です。血漿は液体で成り立っている血液とリンパ液のことを言います。前者は栄養素の他、酸素や血球などを移動させる役目を担い、後者は脂質や不要な物質を運びます。
その他体温を維持しているのも体液です。エネルギーはグリコーゲンの分解によって生まれますが、筋肉動作だけでなく熱をも生じます。一般に体温と呼ばれているのはこの熱によるものです。しかし、汗などは過剰な熱によって気化熱を喪失するため、人間の体は一律の温度を維持できるよう構築されています。