防御に関わるTLRの仕組み~自然免疫~

自然免疫の細胞表層にはTLRと言われている蛋白質が存在しますが、近年の研究では細胞表層だけでなく、その内部にもTLRが存在していると言われています。これが敵味方を識別しているもので、マクロファージや樹上細胞でも同様に見られます。構造は幾つかタイプの異なる蛋白質から成り立っており、いずれもその機能は違います。このTLRにはフック状のものが出ており、ここに異物を引っ掛けます。また敵味方を区別するのは、ここで行っています。 かつては獲得免疫が敵に合わせて攻撃手段を変化させると考えられていましたが、現在では上記の理由から自然免疫にもあると言われています。その機能は獲得のそれに比較すると劣りますが、仕事は速いです。TLRのフックに病原体などが接触すると、防御機能が働き、キラー細胞が活性化されたり、サイトカインが放出されたりします。またTLRのタイプによって異物と識別するものが違うようです。更にマクロファージなどに捕獲された細菌は、細胞の中に取り込まれて、壊されます。その際、流出した細菌のDNA情報をTLRが取得し、敵への妥当な対応を可能にするようです。