ADIによる食品添加物の一日摂取許容量

国際的な機関であるFAOとWHO合同食品添加物専門家会議は略してJECFAと呼ばれています。この機関はWHOと略される世界保健機構とFAOと略される国連食糧農業機関が合同で設立したもので、食物の安全性評価を実施するためADIなどを定めています。ADIは一日摂取許容量のことで、ある食品添加物を人間が死ぬまで継続して毎日摂取しても、健康に害悪を与えないと考えられる範囲のことを言います。この数値は人の体で体重一キログラムあたりのミリグラムで表示されます。日本では、対象となる食品やその利用量の範囲が食品衛生法によって規定されています。 食品添加物はそれを含有する食品を摂取している限り、多くの人が毎日微量に体内へ吸収させていくものです。このため、長期間継続して動物実験を行う必要があります。実験対象となる動物に対して、ある一定量飼料に食品添加物を加えて、それを長期間観察します。また、その動物が死ぬまで添加物を与え続けたり、奇形が胎児に見られないかなども調べます。更に二世代に渡って観察したり、発癌性の判定も行います。尚、催奇形性試験は食品添加物によって奇形を胎児に誘発しないかをテストするものです。繁殖試験は二世代目に与える影響を調べるテストです。 無毒性量は、これらの実験を行って、全てに関して毒性が確認できなかった量を言います。一日摂取許容量はこの数値を100で割った値が一般的に用いられています。いずれにしてもこれらの情報はJECFAにて情報が審議され、ADIを設定したり、さまざまな規格を設けたりしています。世界の国々によって安全性を統一することが理にかなうと考えられるようになってきています。