珈琲の苦味・酸味・辛味
苦いものほど体の健康には良いと言われていますが、これはおそらく植物を乾かした生薬やこれを原料にした漢方などからきていると思われます。しかし漢方といえど、甘いものも酸味を有するのもあるため、良薬は口に苦しと一概には言えません。例えば甘草(かんぞう)などがその代表です。ただ苦味を持つ生薬は非常に多く存在しており、酸味のそれはほとんどありません。
珈琲の中でもコクのあるものは多くの香り成分を含んでいると言われています。また栄養素も幾つか知られており、芳香成分と組み合わせて特徴のある味を演出しています。個々の芳香成分の量は少なくなっていますが、逆に栄養成分のそれは多くなっているため、味を得ることが可能となっています。この味は芳香によっても引き立てられ、各個人によって様々な感じ取られ方をしています。過去の体験によって得られた好みの香りは、その味をも引き立てると言われています。
味には旨味、苦味、塩味、酸味、甘味、辛味がありますが、珈琲には旨味と塩味を除くものがあります。しかし焙煎することで甘味を失うため、実際には残りの三つとなります。また豆に含有される甘味はショ糖で構成されているため、熱によって分解されます。よって甘味を感じることはなくなります。