甘さの依存性

かつてエンドルフィンと呼ばれる物質の分泌を促進する作用を持つ神経と甘味を伝達する神経がつながっているのではないかと言われていたこともありましたが、現在、エンドルフィンは痛みに関わる鎮静作用を有するものの、快感の領域にあまり関与してないというのが通説になっています。エンドルフィンは脳内へ悪影響を及ぼす物質のことで、かつて存在した説に従うと、甘さに依存性がある可能性も否定できないものになります。今日では、エンドルフィンより神経伝達物質であるドーパミン及びセロトニンといったものの方が快感への関与が深いと考えられています。日本では、酒好きな人に辛党が多いと言われていますが、欧米では甘いものを好む人も多いそうです。面白い動物実験では、遺伝子操作を行って酒好きにした場合、甘党になったとの報告例が存在しています。これを人間にあてはめると、アルコール好きと辛党及び甘党の傾向は、遺伝子によって左右されるということになります。また、アルコール好きの人に甘いものを摂取させるとアルコールへの依存性が低くなるという現象も見られます。これは、アルコール好きが甘いものを好む傾向を作り出すのではなく、甘いものを食べれば、自然にアルコールの摂取量が低下することを示しています。 遺伝による依存性では、依存症になる人と依存症にならない人において、ドーパミンの受容体が異なっているといわれています。脳内において快感を司る領域は、側坐核と中隔核と言われており、この領域にある神経をドーパミンが刺激することによって快感を得られると考えられています。このドーパミンと結合する部位をドーパミン受容体と言い、つまりドーパミンがドーパミン受容体と結合することによって作用或いは快感が生まれます。ドーパミン受容体にはいくつかの種類がありますが、その種類によってドーパミンがドーパミン受容体へ与える刺激或いは快感の強さが異なります。一般にこの刺激の強いドーパミン受容体を持つ人は、タバコ及びアルコールといったものへの依存性が低くなると言われていて、反対にこの刺激が弱いと脳は、タバコ及びアルコールといった他の物を利用することで快感を得ようとすると考えられています。尚、現在のところ、甘さへの依存性はないとされるのが一般的です。