安定狭心症と不安定狭心症

あまり心配ないとされる狭心症のことで、通常、発作の痛みや回数、発作が引き起こされるきっかけなどが大抵一定しているケースを言います。普通の生活をしても差支えありませんが、一応発作時を予想して、硝酸薬であるニトログリセリンなどを携帯し、動脈硬化を悪化させないため、アルコールやタバコはなるべく控え、重いものを持たないようにする配慮は必要です。これらは、労作狭心症の方にも当てはまり、症状がほとんど一定であれば、特に心配はないと考えられています。ただ、不安定狭心症になると心筋梗塞へと悪化する場合があり、安静時の発作や発作の継続時間が延びたり、その回数が増加したといった症状が現れると、入院による治療が必要となってきます。不安定狭心症(ふあんていきょうしんしょう)になっていると、心筋梗塞の手前の症状と言うことができます。 治療では通常、心臓カテーテル検査や心臓エコー検査、胸部X線検査、心電図、心臓核医学検査、尿検査、血液検査といった方法で冠動脈及び心臓の状態をくまなく調べて行く事になります。この検査の結果、発作回数が少なく労作性の狭心症と判断されたケースでは、生活指導と薬物療法が治療の主軸となります。不安定狭心症においても薬物療法を行いますが、いつ心筋梗塞になっても不思議ではないため、カテーテルを用いて血管内部から狭窄している血管を拡張させる治療を行うケースが多いとされています。尚、カテーテル治療を行っても、腎障害や糖尿病などを患っている方などは再狭窄を引き起こしやすいと言われてます。更に腎障害や糖尿病を持っている人は、カテーテル治療を行うと危険性も上昇します。こういったケースでは、外科治療によって冠動脈バイパス手術を実施することもあります。