「サイエンス」カテゴリーアーカイブ

創傷治癒・止血・PDGF・TGF-β

止血は血小板が凝集して血栓を構築することで行われます。また傷口から入り込んだ病原体などへは免疫系が作用し、死滅した細胞も処理します。更に血小板に起因する成長因子が出てきて、これによって線維芽細胞が増えることになります。この因子はPDGFと言われており、傷口において本格的な回復が行われます。同時に損傷部位を... Read more

脂質・中性脂肪・カイロミクロン

胆汁は十二指腸より分泌されますが、中性脂肪はここで乳化されます。小腸に取り込まれるためにグリセロールと脂肪酸に分解されますが、これは消化酵素のリパーゼを含む膵液によって行われます。また脂質といえば中性脂肪以外にコレステロールやリン脂質も含みますが、こちらは小腸において直接取り込まれます。 リンパ液や血液... Read more

神経幹細胞~オリゴデンドロサイト/ニューロン/ストロサイト~

神経幹細胞は歯状回や大脳皮質で見られ、記憶を固定したり、思考に関与すると思われる神経細胞を増やしていると言われています。海馬は脳の中で記憶を担っている器官であり、神経幹細胞は学習や経験によってその量を増やしていきます。神経幹細胞が分裂すると、一方は神経前駆細胞にその姿を変え、信号を周りの細胞から受けます。... Read more

脂肪細胞・アディポネクチン

沢山の脂肪を詰め込むことが可能な細胞を脂肪細胞と言います。もともとは液滴状に見られる脂肪が一旦蓄えられ出すと、次第に他の領域にも広がり当該液滴がそれぞれ結びついて大きくなっていきます。最終的には細胞本来の大きさより膨張し、パンパンになります。内部はほとんど脂肪の袋で占められ、細胞質は端っこの方に追いやられ... Read more

肝臓細胞~生体肝移植

血中に存在する物質を分解するのが肝臓の主用な働きです。細胞が活用しやすい状態に栄養分を変化させたり、有毒性の物質を分解したり取り除いたりします。またグリーコーゲンと呼ばれるエネルギー源を蓄積したりもします。肝臓の再生力は非常にすぐれていますが、これは臓器の中で一番先に毒物の分解や破壊を行わなければならない... Read more

増殖因子の過剰反応から細胞外マトリックスが蓄積する

細胞を除いて、生体を作っている固体物質をまとめて細胞外マトリックスと呼んでいます。線維などが該当し、あらゆるタイプの細胞から放出されます。主に充填剤としての働きを持っており、細胞同士の隙間を埋めています。臓器などもその形状がこれによって維持されています。硬組織で形成される骨や歯なども細胞外マトリックスに該... Read more

リウマトイド因子と関節リウマチの関係

ある種の病気では、自己抗体との関わりが分かってきており、その抗体の存在を確認することで、細胞単位で発生している異常を認識することが可能です。免疫反応では体内に入り込んだ病原体が抗原であり、これに対応するために作り出されたものが抗体です。仮に、自身の関節に攻撃する免疫反応が起これば、関節リウマチとなります。... Read more

レトロトランスポゾン・Tdrd遺伝子

Tdrd遺伝子はレトロトランスポゾンが好き勝手に遺伝子を変更しないように保護する機能を有します。Tdrd遺伝子によって生成される蛋白質はレトロトランスポゾンの動きをコントロールし、遺伝子を保護することが解明されています。また、レトロトランスポゾンは遺伝子配列の重なっている箇所のことを意味しており、RNAか... Read more

プラセボ効果~新薬の開発・臨床試験・動物実験~

新薬を開発する際にはその効果を確認する必要があります。このため、小麦粉などを入れた外観状薬とよく似たものがその比較のために用いられます。プラセボは外観状、薬と似ていますが、中は糖質など薬効のない成分が入っている錠剤のことを言います。新しい医薬品として適用されるためには動物実験でその危険性の有無が判定され、... Read more

パーキンソン病とドーパミン

ドーパミンは脳内神経伝達物質ですが、これが足りなくなるとパーキンソン病を引き起こすと言われています。これは脳の神経細胞が変性するためで、筋肉の強張りや手足の振るえなどが症状として出現します。しかし実際には自律神経の混乱に起因しているようで、ストレスや薬物乱用が引き金になっているとされます。長期間に渡るスト... Read more