本態性高血圧と二次性高血圧
高血圧患者の大部分は、原因がはっきりと特定できない、本態性高血圧というものです。考えられるのは、遺伝的な要素に加えて、食事や運動などの生活習慣・環境などが重なり合って発症するのではないかということです。また、本態性高血圧は、40歳前後から徐々に血圧が上昇していく傾向があります。高血圧を発症する遺伝子は、20種類以上発見されており、この遺伝子をある一定数以上持っていると、高血圧を発症する可能性が高くなると考えられています。心房ナトリウム利尿ペプチドやβ受容体、レニン・アンジオテンシン系遺伝子などが、原因遺伝子に当たります。ただ、高血圧は必ず遺伝子によって発症するわけではなく、食事や運動、その他の生活環境が良好であれば、発症を抑制することもできます。つまり、塩分の過剰摂取や肥満、運動不足やお酒の飲み過ぎ、喫煙、ストレスなどに日頃から気をつける習慣を身につけることが大切です。
高血圧患者の約10%が二次性高血圧によるものだと言われています。腎障害や血圧に関与するホルモンの異常、血管性高血圧、薬剤性高血圧などが挙げられます。薬剤性高血圧においては、薬の服用を止めることで、改善されるケースが多いです。また、二次性高血圧は、20歳~30歳と本態性高血圧より比較的若い年代から血圧が急激に上昇しまので、その分、動脈硬化の進行も早くなり、脳卒中や心筋梗塞、腎障害などを引き起こしやすくなりますので、早めの治療が大切です。若年での血圧上昇で、降圧剤を飲んでも高血圧が改善されない場合、二次性高血圧の可能性が高いです。原因となる病気を治癒すれば、高血圧も改善されますので、早めの診察が重要です。