腹持ちは食物によって異なる
一時的に粘液状にして食物を溜めておくのが胃袋の役割ですが、腹持ちは食物によって異なります。その内部の壁は粘膜で覆われており、多くのヒダによって形成されています。三層の斜走筋、輪状筋、縦走筋がその奥に見られ、漿膜は最も奥から覆っています。
胃壁からは消化酵素や酸が分泌され、内部に入ってきた食物をそこそこ分解して、一時的にそれを留めておきます。これは摂取した物が大きかったり塊状になっていると小腸へ届けられても十分栄養素を体内へ取り込めないからです。幽門括約筋が開口するのはこういった物体が粘液状になってからのことで、徐々に十二指腸へ流れていきます。
一般に脂肪分が小腸へ送られるのは四時間以上必要だとされます。炭水化物で二時間程度とされますが、このことは食べた種類によって胃内の滞在時間が異なることを意味します。つまり胃の中で留まっている時間が長い食物ほど腹持ちがいいということになります。尚、消化は胃である程度行われますが、その体内への取り込みは水分など特定のものに限られており、ほぼ行われません。