ポストハーベスト/イーストフード

自然界のあちこちに存在している酵母にイーストと呼ばれるものがあり、一粒の大きさは米の数百分の一程度です。もちろん生物であるため、酸素を得て繁殖していきます。糖などの栄養素を体表から取り入れていますが、酸素が不十分になると炭素ガスとアルコールに糖を分解してしまいます。いわゆる発酵と言われているのがこの過程であり、パンの生地を発酵させるのに使われています。パンの製造工程で重要なのは発酵であり、これによって生じた炭酸ガスが、いくつもの気泡をパンの内部で発生させ、柔らかいふっくらとしたパンを作り上げます。また栄養源を補助する目的で使われているのがイーストフードであり、リン酸三カルシウムや硫酸カルシウム、塩化アンモニウムといったものがこれに該当します。いずれも単体で用いることはないため、総称してイーストフードと表示されています。イーストフードを用いることでより風味のあるパンを作ることができ、ボリュームやふっくら感、食べた時の歯ざわり、香りといった様々な部分を高めてくれます。 尚、小麦粉の収穫後に用いられるポストハーベストと呼ばれる農薬が問題となっていますが、注意すべきなのは残留農薬です。特に輸入された小麦に視点が置かれていますが、農薬が使われた時期よりも、農薬の特定と残留量が問題です。ただ、日本で調べた一日摂取量の調査では、特に安全性に問題はないとされています。その他、パンの製造に使われるイーストフードそのものの安全性も国際的に評価されています。