インスリン注射

糖の代謝異常

糖尿病は、糖の代謝異常によって引き起こされる病気で、現代の社会現象である生活習慣病の一つです。糖の代謝異常とは、つまり膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるインスリンが、食後の血糖値上昇に合わせてうまく分泌されないことを言います。糖尿病は、このインスリンが全く分泌されない1型と、インスリンは分泌されるが、その量が常に不足する2型に分類され、いわゆる生活習慣病である糖尿病は、2型糖尿病になると言うわけです。糖尿病の治療は、基本的に運動療法と食事療法が中心になりますが、糖尿病の症状によっては、インスリン注射や血糖降下剤を使うことになります。

インスリン注射

インスリンの注射による作用は、筋肉及び脂肪組織においてブドウ糖の取り込み量を増やしたり、肝臓から放出されるブドウ糖の量を減らすことで血糖値を低下させることです。インスリンがその効果を十分発揮するためには、細胞膜にある受容体と結合しなければなりません。受容体の数が少ない人は、高濃度のインスリンが必要となります。

持続型インスリン注射

字の通り、効果が長く続く製剤になります。持続型は、単独で用いられるケースが余りありません。 持続型の主な製剤
結晶性インスリン亜鉛水性懸濁注射液(ウルトラレンテインスリン)
プロタミンインスリン亜鉛水性懸濁注射液

混合型インスリン注射

混合型は、速効型インスリン(10%~50%までの五段階で含まれる)と中間型イソフェンインスリン水性懸濁注射液との混合製剤があります。

中間型インスリン注射

中間型にはプロタミンを利用したイソフェン製剤(NPH)と亜鉛懸濁製剤(レンテインスリン)があります。イソフェン製剤(NPH)は、プロタミンと呼ばれる塩基性のタンパクとインスリンを組み合わせて溶解しにくいものにし、吸収を遅延させる製剤です。中間型は、およそ10時間程度、効果を持続させるように作られた製剤です。 中間型の主な製剤
イソフェンインスリン水性懸濁注射液(NPH)
インスリン亜鉛水性懸濁注射液(レンテインスリン)

速効型インスリン注射

食後に急上昇する血糖値を抑制するために使用されます。毎食前に皮下注射によって血糖値を低下させるもので、直ぐに効果が現れるものの、持続時間が短いです。 速攻型の主な製剤
インスリン注射液(レギュラー)
中性インスリン注射液
無晶性インスリン亜鉛水性懸濁注射液(セミレンテ)