コーヒーの生豆と焙煎豆に含まれる成分

生の珈琲豆にはショ糖、アミノ酸、トリゴネリン、クロロゲン酸、カフェインなどが含有されています。一方、焙煎した豆には芳香成分である揮発性メイラード化合物、アルカロイドの不揮発性メイラード化合物、酢酸やギ酸といった有機酸、AGEsと略される糖化最終産物、N-メチルピリジニウムギ酸塩、ビタミンB3であるニコチン酸、ヒドロキシメチルフルフラールなどがあります。生豆と焙煎した豆とではカフェインを除くと共通成分が見られません。これは焙煎の熱によるもので、豆の内部の有機化合物は離脱や熱分解などの反応によって変化してしまうからです。カフェインは除きますが、豆の表層も酸化によって反応を生じます。 カフェインが変化しないのは周囲の物質と反応を起こしにくいためで、そのほとんどが化学構造を変えません。僅かに揮発しますが、これは消失するだけです。その他の有機化合物は多くの成分と混合されて反応するため、様々な物質が発生します。特に珈琲の芳香とコクを引き出すメイラード反応が知られています。