高血圧の問題

高血糖になると、細胞内から細胞外へ水分が出てしまったり、腎臓から水分が体内に吸収されたりします。これが原因で血液中の水分が増加することにより高血圧になります。肥満になると交感神経が刺激されます。これが原因で、アドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが分泌され、血圧が上昇します。2型糖尿病の症状の方は、肥満であるケースが多く、このことからも血圧が上昇しやすいです。インスリンを受ける細胞の感受性が低くなると、膵臓は大量のインスリンを分泌します。この高インスリン状態が引き起こされると、交感神経が緊張し、腎臓でのナトリウムの排泄障害などが原因で、血液中の水分が増加し、血管が広がりにくくなることが重なって、血圧が上昇します。合併症の腎症を抱えていると、腎臓からレニンと言われる、血圧を上昇させるホルモンが分泌されたり、血液のろ過作用が低くなり、血液中の水分が増加することで、血圧が上昇します。腎臓は絶えず血液が流れていますので、血圧が上昇すると腎臓の負担が大きくなります。腎症を発病させてしまうと、高血圧になりますので、更に腎症を悪化させてしまうことになります。動脈硬化は、血管壁が本来持っている弾力性を失い、拡張性がなくなることです。この要因に、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満などがあり、これらは相互に悪影響を与えながら、動脈硬化を早めて進行させてしまいます。動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしますが、健康な人と比較すると、糖尿病を抱えている方は、2~3倍、高血圧も2~3倍、糖尿病の症状と高血圧症状の合併症だと、6~7倍の確率で、心臓病や脳血管の障害を引き起こすと言われています。