殺菌料

生鮮食品や広い範囲に流通する加工食品などには有害細菌に起因する食中毒を引き起こす可能性が高いと言えますが、殺菌料(さっきんりょう)の使用により、これを未然に防ぐことができます。また、殺菌により衛生的な食品にするだけでなく、変質も防ぎます。食中毒を防ぐには、食品そのものに原因となる有害細菌を付着させないようにすることも重要ですが、調理に用いる器具や加工する施設、またそれらに関わる人の手指の殺菌消毒も大切です。 一般に殺菌料は、食品に付いている有害細菌を殺菌し、食中毒を防ぐと同時に、食品劣化による変質を抑えるのにも役立ちます。利用する際には、異臭を放ったりしますが、殺菌の効果は少しの時間で生じるため、その作用から保存性を高め、食中毒を防ぐことが可能です。また、味には変化を与えませんが、これは使っている途中で取り除かれたり、分解されたりするためです。 殺菌料は酸素系と塩素系に分類されますが、前者ではかずのこなどに用いられる過酸化水素があります。後者は魚や野菜などに用いられる次亜塩素酸ナトリウムがあります。過酸化水素は過硫酸アンモニウムを加水分解→蒸留→水に吸収という過程を踏んで作られます。過硫酸アンモニウムは硫酸水素アンモニウムを電気分解して製造します。殺菌力は高くなっており、漂白の働きもあります。現在、数の子のみに利用されていますが、これはその後の報告で発癌性が確認されたためです。使われた後は完全分解によって取り除かれます。次亜塩素酸ナトリウムは次亜塩素酸ソーダとも呼ばれているもので、熱に弱く水に溶けやすくなっています。塩素臭を放ちますが、用いられた後は取り除かれます。